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化粧気のなかった姉の変化

化粧気のなかった姉の変化

わたしには姉がいます。

姉は、おしゃれへの目覚めが他の女子よりも遅く、高校生になるまで見た目にほとんど気を遣っていませんでした。

わたしは姉より二つ年下で、その当時は中学生。

周りには、色気づいた女子たちがたくさんおり、美白だの化粧だの洗顔だの、そのような話をいつも飽きずにしているのです。

それなのに姉は、必要最低限の身だしなみしか整えることはなく、一般的な女子と少しかけ離れた存在でした。

さすがにそれを見かねた母は、「高校生になったんだから、化粧するとか、せめてお肌のことを気にかけなさい」と注意したのです。

しかし姉は、母の助言にも耳を貸さず、普段通りを貫いていたのです。

そんなある日のこと。

姉が突然、「美白とか洗顔とかについて詳しく調べて」と言ってきたのです。

男であるわたしに、です。

いったい、どういう心境の変化があったのか。

姉は詳しく語ろうとしませんでしたが、恐らく、学校で何かあったのでしょう。

学校というのは、「他人と少し違う」だけで、周囲から孤立してしまいますからね。

姉は、少しでも「一般的な女子」に近づこうとする決心をしたのでしょう。

そういった経緯で、わたしは姉の協力をすることになったのです。

姉の変化、その理由

化粧気のなかった姉から、突如として「美白とか洗顔とかについて詳しく調べて」と言われたわたしは、最初、とても戸惑いました。

なぜなら、美白やら洗顔やらとは縁遠いわたしに、調査を依頼してきたのですから。

よほど、焦っていたのでしょう。

わたしは、母に尋ねてみました。

母は、「お姉ちゃんには内緒だよ」と前置きした上で、事情を話してくれました。

どうやら、姉は親しかった友人に、肌について揶揄されたらしいのです。

肌が汚い、くすんでいる、それじゃあモテない、など……。

姉はけっこうな強心臓で、滅多なことでは動じません。

しかし、親しい友人のからかいに、ひどく傷ついてしまったようなのです(もちろん、わたしたちの前ではあまり傷ついたようには見せませんでしたが)。

わたしは、昔からよく姉に助けられてきました。

いじめられていたとき、友だちとケンカしてしまったとき、母に怒られたとき――様々な場面で、姉が手を差し伸べてくれました。

わたしは、そんな姉が大好きです。

美白になる洗顔があるって!

今度は、わたしが姉を助ける番です。

美白と洗顔について、満足いくまで調べようと決心しました。

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